ノクターン

「クリスマスに入籍しようと思います。」

と智くんが言ってくれる。

和やかな雑談と、食事が進んだ中で。
 


「それで、結婚式はどうするの?」

お母様が智くんに聞く。
 

「あんまり大げさには したくないなあ。身内だけでって訳には いかない?」

智くんが言う。

私も お父様の関係で、結婚式をしたら 盛大になってしまうだろうとは思っていた。


だから、何となく 結婚式の話しは避けてきた。
 

「海外で式だけ挙げてもいいよ。でも、智之の会社の人に お披露目しなくていいのか?帰ってから 披露宴をするなら同じ事だろう。」

お父様は、もっともな事を言う。
 


「兄貴の時みたいのは、嫌だなあ。披露宴って言っても 近い親戚と、友達と、会社の人何人かで。」


お兄様の結婚式は 相当盛大だったのだろう。
 

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