ノクターン

「東京で披露宴をしたら、招待客は増えてしまうと思うよ。紀之の時ほどではないにしてもね。二人が、内輪だけでいいなら 軽井沢はベストだろう。」


お父様もお母様も、いつも私達の気持ちを尊重してくれる。

温かい気持ちで見守り、手助けしてくれる。

私は、なんて素敵な家族に 迎え入れてもらえたのだろう。
 


「いいなあ、お姉ちゃん。」妹がつぶやく。
 
「美奈ちゃんは これからよ。」

お母様は、妹にも優しい目で言ってくれる。
 


妹は 結婚式ではなく、この素敵な家族に迎えられる私に “ いいなあ ” と言った事に 私は気づいていた。 

 
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