ノクターン
24

小さな頃、

『麻有ちゃんは大きくなったら何になりたいの?』

と母に聞かれて、

『お金持ち』

と答えた事がある。

智くんと出会った頃の 私の夢だった。
 


日々、余裕のある生活ができる程度のお金持ちではなく、その上の生活をしている人に憧れた。


夏休みに何日も別荘で過ごすことができるような。
 


一年毎に、成長する毎に それは特別な人だと知る。

普通の人が、手を伸ばしても 届かない夢だと知る。
 

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