ノクターン

木曜日は、指輪の刻印が仕上がる日で。

私達は 待ち合せて指輪を取りに行く。



智くんの指輪には 日付とイニシャルを。

私の指輪は 刻印するスペースが少ないので、イニシャルだけを刻んでもらった。



2つ一緒の箱に入った指輪は 私達を もっと幸せな気持ちにしてくれる。
 


高ぶる気持ちのまま、私達は 食事をしてマンションに戻る。
 


「麻有ちゃん、指貸して。」

と、智くんは 私に指輪をはめてくれる。
 

「智くんも。」

私も、智くんの左手薬指に 指輪をはめてあげる。
 


「誓いのキスね。」

と言って、智くんと口づけを交わす。



私達は何度も、熱い口づけを繰り返す。


重ねては離し、また重ねて。
 

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