ノクターン
「取替えっこして開けようか。」
智くんが言う。私は頷く。
『僕の20年後の夢は、石の教会で麻有ちゃんと結婚式をすることです。麻有ちゃんと結婚して、幸せにする事が夢です。』
『私は、大きくなったら 智くんのおよめさんになりたいです。20年後のゆめは智くんの およめさんになることです。』
私は、智くんに抱きついて 泣いてしまった。
「同じ夢だったね。二人で。」
智くんは、優しく私の背中を撫でてくれる。
離れていられる訳がない。
こんなにも同じだったのに。
小さな頃から。
ずっと思い合っていたのに。
「20年経ってないけど、夢が叶ったね。」
智くんの言葉に、私は号泣してしまった。