ノクターン

それから、賑やかに 結婚式の話しになる。
 

「こういう結婚式っていいよね。せめて智之には そうしてほしいよ。」


お兄様は 長男である為に 犠牲になったことも 多いのだろう。


そんなことは 全く感じさせない明るさで 周囲を包み込む。



器の大きな人。
 


智くんと私が こんなにも自由にできるのは お兄様がいるから。


みんなの深い愛情の上で 私達の幸せが 成り立っている。


絶対に 忘れてはいけないことだと思った。
 


「それで、日にちだけどさ。4月だと14日の土曜日か22日の日曜日が 空いているらしいんだ。会社の都合はどう?」

智くんが聞くと お父様が手帳を開く。
 

「4月の予定は、まだ決めてないから 大丈夫だろう。」
 


「どちらかと言えば、土曜日の方がいいんじゃない。来て頂く方にも。それに14日は大安だし。」

とお母様が言う。
 

「そうだね。俺達は ホテルを取って泊まってもいいしね。」とお父様。
 


「智之、早速14日で予約しておいて。招待客は、これから決めていこう。」



お父様の一言で、私達の結婚式は 4月14日に決定する。

 
< 202 / 270 >

この作品をシェア

pagetop