ノクターン
42

仕事始めの朝、美咲に会うと
 
「わあ。麻有子、焼けている。そっか。新婚旅行?」と言われる。
 
「サイパンに行ったの。はい、お土産。」とチョコレートを渡す。
 


「ありがとう。新婚のお正月は どうだった?今朝の麻有子見れば 聞くまでもないけど。」

美咲は いたずらっぽく笑う。
 


「結婚式、4月14日になったの。美咲 来てね。軽井沢だけど。」
 

「軽井沢。また思い切った場所で。お昼に色々、聞かせてね。」

少し話して。

私達は仕事を始めた。
 


ランチタイム、美咲に タイムカプセルの事を話す。
 

「何それ。すごくいい話し。感動しちゃうね。」

美咲は、とても驚く。
 
「私達も お兄様に言われるまで忘れていて。手紙を入れた事は 見るまで思い出さなかったの。びっくりしたよ。」
 

「すごいね。麻有子達って。ドラマチックだよね。結ばれるべき二人だったんだね。」

美咲の言葉に 私は照れて俯く。
 

「そうだ。見て、見て。」

と昨日の ウエディングドレスの写真を見せる。
 

「わあー。麻有子 可愛い。智くんて すごいイケメンだね。超お似合いだよ。」

私は ニコッと笑い
 
「それが言って欲しかったの。」と言う。
 

「素直で、よろしい。」

やっぱり私は 幸せだった。



たとえ 智くんと離れている時間も。

 
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