世界No.1の総長と一輪の花 エイプリルフール特別編
「わ、わかんない…」
考えられないからそう答えた私。
そうしたら詩優は
「榊」
ぽつり、と小さく呟いた。
さかき?
さかきって…あの、榊?
「冬樹く───」
『冬樹くんのこと?』
疑問を確信にするためにそう口にしようとしたら、最後まで言うのを口を塞がれて制された。
唇には柔らかい感触。
目の前には整った顔のドアップ。
さっきよりも激しく暴れ出す心臓。
「んっ、んんっ…」
角度を変えて何回も重ね合わせる唇。
甘い甘い熱が私に伝わってどんどん熱くなっていく……。
何も考える余裕がなくて、何かをする余裕なんてなくて、ただ詩優にキスをされていたら、やっと離れてくれた。
それから詩優は
「…榊、ピンクメッシュじゃん」
と小さな声で言った。
「……へ?」
思わず間抜けな声が漏れる。
だって、私の聞き間違いじゃなければ詩優は……詩優は……今……
確かに『榊』って……。