世界No.1の総長と一輪の花 エイプリルフール特別編
ぼうっとしたまま詩優を見つめていたら、目の前の彼はゆっくり口を開く。
「…ショートヘアにすんのはいいと思うけどさ、ピンクに染めんのだけはだめ」
甘くてあつい熱のせいだろうか、私の思考は上手く回らなくて、ただ詩優を見ていることしかできなかった。
そんな私を見て、詩優はもう一度私の頬に手を伸ばして
「ピンクには染めんな」
ともう一度言った。
「へ?」
…ピンクに染めんな
って言った?今……な、なんで……
頭の中が混乱してきて、何も言えないでいたら、頬に触れていた手が髪に触れる。
私の横髪をさらりと背中に払うと、熱い手が首筋に触れて。
「どうしてもピンクに染めるんだったら噛みつく」
突然そんなことを言い出した。
か、噛みつく!?
な、なんで!?
噛みつかれたら絶対痛いし、それに噛み跡が残ったら…これから美容院に行くのに、美容師さんに見られてしまう可能性がある。
そんなんじゃ恥ずかしくて行けないよ…っ