『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜
「…やっぱり、心配?」
小林くんは
きっと先生の車に気付いて言った
「…うん、でも…
きっと、彼女が来てくれるから…
大丈夫…」
「…辛くない?」
「え…?」
「立花さん、辛くない?
…いつも、無理してる…」
小林くんは知ってた
私が先生を好きなこと
「オレ、心配…
立花さんのこと…」
小林くんに手を繋がれた
温かかった
「オレじゃ…ダメ?」
小林くんが優しくて
一瞬、揺らいだ自分がいた
小林くんとなら
辛くない気がした
でも…
「…ごめんなさい」
先生が、好き…
「好きなんだね…
水嶋のこと…」
私は黙って頷いた
「でも、オレも…
立花さんのこと、好きなんだ…
…
辛い…」
私は小林くんの気持ちが痛いくらいわかる
自分の好きな人が
他の人を好きでいること
「ごめんなさい…」
謝ることしかできなかった
「うん…
でも、ずっと友達でいて…」
「うん…ありがとう…」
小林くんは
駅までずっと手を繋いでた
指先と指先が触れてるだけで
少しの振動で
離れてしまいそうな…
その指先から鼓動が伝わってくる
小林くんの気持ちが伝わってくる
私の辛い気持ちを支えてくれている
小林くんも辛いはずなのに…