『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜

「一緒に、寝てもいい…?」



え…


暗い部屋に先生の声が響いた




「ベッド、狭いけど…
一緒に寝てもいい…?」



私は慌てて涙を拭いた



先生が起き上がったのがわかった




「先生…」



起きてたの…?



「いい?
そっち行っても…
ここ、身体痛いから…」



「うん…」



先生がゆっくりベッドに入ってきた



「立花さん、温かい…」



タバコの匂いがほのかに香った



鼓動が一気に早くなった



「狭いけど、寝れる?」



「うん…」



狭いからとかじゃない


先生が来なくても

先生が隣にいても



寝れない



少しだけ肩が触れてる

先生の体温を感じる



あの夏の先生と私は、もっと近かったね




「おやすみ…」


「おやすみなさい」



先生は、寝れるんだ




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