王子様に恋をした
食堂に着くとそこには既にお父様とお母様、そしてお兄様もいらっしゃっていました。

「おはようございます。お父様、お母様、お兄様。」

私は伯爵令嬢らしく、スカートを少し摘んで挨拶をしました。

「おはよう、アイリーン。」
「おはよう、アイリーン。今日も可愛いわ。」
「おはよう、アイリーン。寝坊はしなかったのかな?」

お父様、お母様、お兄様が夫々挨拶を返して下さいました。

私はにっこり笑ってテーブルに着くと、ローラに椅子を引かれ着席しました。

ここはシェヴェルディア伯爵家の食堂

私は伯爵家の一人娘 アイリーン•ド•シェヴェルディア。

兄はシェヴェルディア伯爵家の嫡男でアンソニー• ド•シェヴェルディア。

お父様 アランジェルジュは、王宮で宰相補佐の職に就いており、18歳になるお兄様は、その職について行って宰相補佐のお勉強。

お母様のアリアンヌは元伯爵令嬢で、現在は私にお家で淑女としての教育をしてくださるセンセなのです。


今朝も、馬車で王宮へお出かけになるお父様とお兄様を、お母様と2人でお屋敷の扉の前でお見送り。

「旦那様 アンソニー、お気を付けて。行ってらっしゃいませ。」

「お父様お兄様、どうぞお仕事頑張っていらして下さい。」

父と兄はにっこりと微笑むと馬車に乗り込み、
「出立」の従者の合図で門を出ていかれました。

私はお母様からの厳しくも愛がこもった淑女レッスンを受ける為、お母様と邸の中へ入っていきました。

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