授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
――スカイツリーの展望台が閉まるまでまだ時間があるから行ってみないか?

そう言われて事務所を後にした私たちはスカイツリーにやって来た。

「私、ここに来るの初めてです」

「ならよかった」

桜の季節もあっという間に終わり、葉桜へと移り変わってきた。今日も雲ひとつない晴天だったおかげで、目の前に広がる夜景のパノラマが一層煌めいて見えた。

「あ、あそこに見えるのって東京タワーですよね? ここから見るとすごく小さく感じるなぁ」

辺り一面に星屑をちりばめたような絶景に胸が躍る。子どもみたいにはしゃいでしまい、そんな私を見て黒川さんがやんわりと目を細めた。

「こんなに喜ぶとは思わなかったな。ほかにもプラネタリウムや水族館もあるんだ。今日は遅いからまた今度行ってみるか?」

「はい! 是非」
< 100 / 230 >

この作品をシェア

pagetop