授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
こんな時間に仕事が終わるわけがない。それなのに、家にいるということは仕事を休んだとしか思えなかった。
「ああ、書類作成くらいなら家でもできるからな。坂田所長に事情を話して一日休みをもらった。ただの風邪だっていっても何があるかわからないだろ?」
「私のことを看病するためにわざわざ仕事を休んでくれたんですか?」
黒川さんはただでさえ忙しい人だ。一日休んだだけで仕事量が何倍にも増えてしまう。申し訳なくて肩を落とすと、黒川さんが優しく私の手を握った。
「俺がそうしたかったんだ。だから気にするな。それと……」
握った手に視線を落とし、一拍置いてから黒川さんが口を開く。
「昨夜の電話で君は、何も知らなくてごめんなさいって言ってたよな? それがどうしても気になって……坂田所長から話しは聞いた。南雲が余計なことを言ったようだな……すまない」
余計なことって、妹さんの真由さんが実は亡くなっていることですか?
真由さんの面影を追って私と婚約したことですか?
黒川さんがウォルナーズホテルグループ社長の息子だってことですか?
私はただのお飾り婚約者なんですか?
黒川さんに聞きたいことが堰を切ったように溢れ出す。けれど、それらは言葉になることなく頭の中で流れていくだけ……。
「体調が悪いのに話すような内容じゃないと思ってたが……」
「教えてください。もうだいぶ楽になりましたから、話くらいちゃんと聞けます」
「わかった」
「ああ、書類作成くらいなら家でもできるからな。坂田所長に事情を話して一日休みをもらった。ただの風邪だっていっても何があるかわからないだろ?」
「私のことを看病するためにわざわざ仕事を休んでくれたんですか?」
黒川さんはただでさえ忙しい人だ。一日休んだだけで仕事量が何倍にも増えてしまう。申し訳なくて肩を落とすと、黒川さんが優しく私の手を握った。
「俺がそうしたかったんだ。だから気にするな。それと……」
握った手に視線を落とし、一拍置いてから黒川さんが口を開く。
「昨夜の電話で君は、何も知らなくてごめんなさいって言ってたよな? それがどうしても気になって……坂田所長から話しは聞いた。南雲が余計なことを言ったようだな……すまない」
余計なことって、妹さんの真由さんが実は亡くなっていることですか?
真由さんの面影を追って私と婚約したことですか?
黒川さんがウォルナーズホテルグループ社長の息子だってことですか?
私はただのお飾り婚約者なんですか?
黒川さんに聞きたいことが堰を切ったように溢れ出す。けれど、それらは言葉になることなく頭の中で流れていくだけ……。
「体調が悪いのに話すような内容じゃないと思ってたが……」
「教えてください。もうだいぶ楽になりましたから、話くらいちゃんと聞けます」
「わかった」