授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
感情が爆発した後は必ず後悔する。

先日、父に怒鳴りつけてしまったことも尾を引いていて、いまだに父と顔を合わせるのが気まずい。昨夜の板垣さんに対しての行いも、頭が冷えてくると頬を叩いてしまった罪悪感に捕らわれてため息ばかりしか出てこない。

来週の婚約パーティー……どうしよう。

やっぱりこのまま私、板垣さんと結婚することになっちゃうの?

「ねぇ、私どうしたらいい?」

元気のない私にミミがクンクンと鼻を鳴らして私に寄り添う。

やっぱり紗季さんとの関係を、ちゃんと黒川さんの口から聞きたい。もしかしたら何かの間違いかもしれない、という思いが拭いきれなくてまだ気持ちに迷いがある。黒川さんは口先だけで「愛してる」なんていう人じゃない。そうわかっているのに……。

今日は朝から暖かいというより少し汗ばむくらいの陽気だ。こうして窓の外を眺めながら黒川さんへの想いを馳せる日がもう何日続いているだろう。

そして数日後。

私は父から板垣さんが言っていたようにロワイヤルウィング船上クルージングで婚約パーティーをすることを告げられた。三日後に――。
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