授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
一週間後。

「黒川先生のとこならおばちゃんも安心だわ。先生、この子のこと、どうかよろしくお願いしますね」

私はベーカリーカマチの二階で落ち着く間もなく、黒川さんのマンションへ引っ越した。空き巣のこともあり、心配してくれていた蒲池夫妻に私たちのことを報告すると笑顔で喜んでくれた。

「彼女、家事が得意なのでこちらこそなにかと助かってますよ。昨日も疲れてるのに洗濯してもらっちゃったし」

私に顔を向けた気配を感じてフッと視線を向けると、黒川さんは微かに笑みをこぼした。私にだけ気づくわずかな笑みは、なんだか共犯めいていてゾクリとする。

「まぁ、ラブラブじゃない、いいわねぇ」

改めてラブラブだなんて言われるとなんだか照れる。私は『洗濯』という単語にひどく反応してしまい、一気にあがる心拍数を宥めるのに必死だった。

わざと昨日のこと思い出させるようなこと言って、私の反応を楽しんでるし!

一緒に住み始めてからというもの、黒川さんは毎晩私を求めてくる。仕事で疲れていると思いきや、あっちの体力はまた別のようだ。
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