授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
坂田所長は初めから私の父が検事であることを知っていて、彼もまた検事を敵視しているのかと思っていた。そして、ふたりだけで話がしたいと言ったのは、てっきり黒川さんとの交際を反対するためだとばかり……。
「松下さんはどうして清次郎が弁護士嫌いなのか、その理由を知ってるかな?」
坂田所長に言われて、そういえば……と、ふと気づく。
弁護士嫌いなのは昔からだけど、私はその理由を聞いたことがなかった。
フルフルと力なく首を振ると、坂田所長は「そうか」とため息をついた。
「私は大学で清次郎と出会った。同じ弁護士を目指す同士だったんだよ」
「弁護士? 父が?」
そんな話、初めて聞いた。それに弁護士を目指していたというのに、実際父は検事だ。
「ほんと頭のいい男でね、曲がったことが嫌いだった。いつも明るくて結構女子からモテてたぞ? けど、大学三年の夏だったかな……」
坂田所長が懐かし気に目を細め、冷めてしまった湯呑のお茶を手持ち無沙汰に揺らした。
「松下さんはどうして清次郎が弁護士嫌いなのか、その理由を知ってるかな?」
坂田所長に言われて、そういえば……と、ふと気づく。
弁護士嫌いなのは昔からだけど、私はその理由を聞いたことがなかった。
フルフルと力なく首を振ると、坂田所長は「そうか」とため息をついた。
「私は大学で清次郎と出会った。同じ弁護士を目指す同士だったんだよ」
「弁護士? 父が?」
そんな話、初めて聞いた。それに弁護士を目指していたというのに、実際父は検事だ。
「ほんと頭のいい男でね、曲がったことが嫌いだった。いつも明るくて結構女子からモテてたぞ? けど、大学三年の夏だったかな……」
坂田所長が懐かし気に目を細め、冷めてしまった湯呑のお茶を手持ち無沙汰に揺らした。