授かったら、エリート弁護士の愛が深まりました
「清次郎の弁護士嫌いは筋金入りだ。私は黒川君と松下さんを心から応援するよ。けど、清次郎を納得させるには……少々骨が折れるかもしれないなぁ」
「そう、ですね……」
“骨が折れる”自分でもそれは重々わかっているけれど、今はなす術がない。
「あのっ、坂田所長、お願いがあるんですけど……」
勢いよく顔をあげて唇を結び直すと、坂田所長は身構えるように無言で手元の湯呑をテーブルに置いた。
「私、黒川さんと恋人になれたことが嬉しくて……ずっと一緒にいたいって思ってるんです。けど、まだ……父に彼のことを話す心の準備ができてないというか、黒川さんにも私の父が検事だということを知られたくないんです。だからこのことは……黙っていてくれませんか? お願いします」
私の父、そして黒川さんと両者に接点を持つ坂田所長は私にとってキーパーソン的な存在だ。万が一、坂田所長がうっかり口を滑らせてしまったら……終わりだ。
「それに……実は私、会社を辞めて引っ越ししたことも、空き巣事件に巻き込まれたことも、父にはなにも話してないんです」
「そう、ですね……」
“骨が折れる”自分でもそれは重々わかっているけれど、今はなす術がない。
「あのっ、坂田所長、お願いがあるんですけど……」
勢いよく顔をあげて唇を結び直すと、坂田所長は身構えるように無言で手元の湯呑をテーブルに置いた。
「私、黒川さんと恋人になれたことが嬉しくて……ずっと一緒にいたいって思ってるんです。けど、まだ……父に彼のことを話す心の準備ができてないというか、黒川さんにも私の父が検事だということを知られたくないんです。だからこのことは……黙っていてくれませんか? お願いします」
私の父、そして黒川さんと両者に接点を持つ坂田所長は私にとってキーパーソン的な存在だ。万が一、坂田所長がうっかり口を滑らせてしまったら……終わりだ。
「それに……実は私、会社を辞めて引っ越ししたことも、空き巣事件に巻き込まれたことも、父にはなにも話してないんです」