虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない

つまり、メラニーは本当の主人の命令で私の侍女になったということ?

ショックだった。今まで少しも彼女を疑っていなかったから。

結構仲良く出来ていると思っていたのに。でもフランツ夫人の言葉を無視はできない。

彼女の発言はいつも正確だった。ロウだって信頼している。

「……もしメラニーに何か秘密があるのだとして、それを問い質さなくて良かったの?」

「あえて見逃しました。もし彼女が誰かの命令で王妃様に仕えているのだとしたら、今の会話をその相手に伝えるでしょう。後日王妃様にその件で探りを入れて来る者がいたら……」

「その人がメラニーの主人ってわけね」

とても気持ちが重くなった。身近なメラニーが信用ならない人かもしれないだなんて。

無言の間がしばらく続く。

しばらくするとお茶のセットと茶菓子を乗せたワゴンを押したメラニーが戻って来た。

「お待たせいたしました」

さっきと比べて落ち着きを取り戻したみたいだ。

にこりと人好きする笑顔を見せながら配膳するメラニーを見て思った。

私達の考えすぎだったらいいのにって。

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