虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない
私の期待はあっさりと破られた。
ランセルが嫌悪感丸出しで私の部屋に乗り込んで来たのだ。
「父上に隠し子がいないか調べているそうだな!」
ランセルに怒鳴られたことより、メラニーが彼の配下だった事実が判明した。
ずきりと胸が痛み、直ぐに言葉が出て来ない。
自分で思っていたよりメラニーに好感を持っていたようだ。
だけど感傷に浸る間もなく、ランセルに追及される。
「聞いているのか? どういうつもりだ」
彼に弱みを見せれば付け込まれる。私は息を吐き、気持ちを切り替えた。
「もちろん聞いています。真犯人を探す為に必要な事実確認の為でした。国王陛下に他に子供がいれば、その方にも動機がありますから」
ランセルはいつものように、眉間に深い溝を刻んだ。
「有り得ない。父上には現在私以外に子はいない」
「そうだとしても私は知りませんでしたから」
ランセルは不満そうにしながらも口を閉ざす。
「犯人探しの時間は一月しかありません。急いで真犯人を見つけたいので、動機を考えてみました。考えれば考える程、ランセル殿下が怪しく思えます、財産も地位も全て受け取れるのですから」
「私が犯人だなど……貴方はまだそんな風に思っているのか」