虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない
心外だとでも言うように、私を睨む。美形なのに凄みがある。
けれど私は怯まずに言い返す。
「決めつけているつもりはありませんが、他に国王陛下がいなくなって得をする人間がいませんから」
「一番怪しいのはひとりで部屋に居たあなただろう!」
「でも私は国王陛下がいなくなれば王妃の位を失うんですよ。動機がありませんよね」
ずばり言うとランセルは言葉に詰まった。その辺は彼も分かっているのだろう。
私を地位と財産目当ての酷い女だと思い込んでいるのだから。
「……もういい。とにかく国王陛下の子は私ひとりだ。これ以上余計な詮索はするな」
ランセルは脅迫するように言い捨てると部屋を出て行く。
私はほっとしてソファーにどさりと座り込んだ。
怒りをぶつけられるのは慣れているから大して堪えないけど、やっぱり疲れる。
それに……。
メラニーとレオナが入室して来たのを見て、私は大きなため息を吐いた。