虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない


レオナには部屋を出て貰い、メラニーとふたりで話を始めた。

「メラニーはランセル殿下の命令を受けていたのね」

そう言うとメラニーの肩がびくりと震える。

「も、申し訳ありません。王妃様が王宮に来る前に王太子殿下から指示されました」

「私の言動を全て報告するようにって? お茶会での話題を知らせていたのもメラニーでいいの?」

ランセルは、ユリアーネの婚約話が出たと知り怒っていた。あの時、なぜお茶会での話題を直ぐに知ったのか不思議だったけれど、メラニーが漏らしていたんだろうな。

予想通り彼女は小さく頷いた。

前評判が悪い私にも親切で、いつも綺麗なドレスを用意してくれたメラニーが。

「王妃様、本当に申し訳ございません」

メラニーは身を縮ませるように謝罪する。

悪い子ではないんだよね。私を陥れたりするつもりは無かったように思う。

ただランセルが主人だから従わなくてはならなかっただけだ。

貴族にはしがらみがあるし、きっと家の事情とか。でも罪悪感はあったんだろうな。

裏切られたはずなのに、嫌いにはなれない。

でも、このまま近くに居て貰うのも、今は危険。

「もう謝らなくていいわ。あなたにも事情があるだろうから。でもしばらくは私のみの周りの世話はレオナに担当して貰うから。メラニーは他の仕事をしていて」

メラニーの顔が青ざめる。けれど彼女は大人しく受け入れた。



メラニーは衣装部屋の管理や、宰相など外部とのやり取りを担当することになり、私の側には来なくなった。

その分レオナの負担が大きくなったけれど、私の世話は基本的に少ないので、なんとかなっているようだった。

突然の配置換えに驚いたはずなのに、レオナは何も聞いて来ない。

空気を読んでいるのか、メラニーから聞いているのか不明だけれど、念のためフランツ夫人以外には重要な話を聞かれないよう前以上に気を使っていた。

そんなある日、私室の居間に、初めてのお客様を迎えた。

< 131 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop