続・隣人はクールな同期でした。

お茶を買うのに手伝っただけなのに
お礼にとアタシにまで買ってもらってしまい
自販機の横に設置してあるベンチに2人で腰掛けた。


「アタシにまで
返って気を使わせちゃってごめんなさい」

「いえいえ、とんでもない!
 右足が使えないって結構不便で
 助けてもらえたのには本当に助かりました」


よっぽど困っていたんだろうなとは
彼の様子ですぐにわかった。
立場は違うけどアタシも不便な事は多々あるから。


「怪我、ひどそうだね?」

「あ、はい…
 バイク乗ってたら交通事故に遭っちゃって
 しばらくこの生活です」


交通事故…か。
その境遇は同じだな。


「お姉さんはどうして病院に?」

「アタシも交通事故でね。
心臓に怪我して、それで通院中」

「え…心臓、ですか。
 それは俺なんかより全然大変…」


そう言った彼は
神妙に表情が強張った。


「キミがそんな顔しないで?
 大変なのはお互い同じ。
 だけど元気だしさ
 時間が掛かっても治るから大丈夫。ね?」

「はい。
 そう言ってもらえると元気出ます」


ニコッと笑った彼が
少し可愛く見えた。


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