続・隣人はクールな同期でした。
年下の笑顔に可愛いなんて
アタシはどの立場なんだよ、まったく。


「就職先が決まって仕事が始まるのに
 情けないですよ」

「そんなに焦らなくてもいいんじゃない?
 どんな仕事に就くの?」

「あ、コレです!」


そう言って持っていた鞄から出して見せてくれたのは
まさかのアタシが務める出版社の資料。

こんな偶然があるんだろうか。


「アタシもココで働いているんだよ」

「ほ、本当ですか!?」


急に興奮しだした彼は
前のめりにアタシの言葉に食いついた。


「同じ職場なんですね!
 どこの部署なんですか!?」

「アタシは広報だよ。
 キミは?」

「俺は編集部です。
 ずっと憧れていた仕事なんです」


編集部か…
って事は、ジンの後輩になるワケだ。
アイツが後輩を指導する姿は
あんまり想像が出来ないけど
きっと良い先輩になるはず。
いや…アイツの指導は厳しそう…。


「仕事するの、楽しみになりました!
 お姉さんとも会えますし!」


なんとも若いコならではの
ハツラツな発言…。
別にアタシに会えるのは楽しみにしてもらわなくても…。
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