続・隣人はクールな同期でした。

それから少し話をして
『また会社で』なんて呑気に別れたけれど
この出会いを
アタシは安易に考えすぎていた―――


その夜。


「ただいま」


スーツの上着とネクタイを外しながら
疲れた顔でジンが帰宅。


「あ、おかえり。
 お風呂沸いてるよ。
 タオルも置いてあるから使って」

「あぁ。いつも悪いな。
じゃぁ先に入ってくる」


夕飯の準備をしながら返事をすると
彼は自室に荷物を置き
洗面所へと向かう。



しばらくすると
ジンは濡れた髪をタオルで乾かしながら
リビングに戻ってきて冷蔵庫からビールを取り出し
さっそく一杯飲み始めた。


「今日ねー
病院でウチの会社に就職するって若いコに出会ったよ」


アタシはアタシで
出来上がった夕飯をテーブルに並べながら
1つの会話として今日の出来事を話してみる。


「へぇ。
 そういえば何人か入るような事を上が言ってたな」

「そのコも編集部だってさ」

「ふーん」


自分の部署ながら他人事。

新人が入るのは
さほど珍しい事じゃないか。

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