きっとこれは眠れない恋の証明。
折角いいところを見せられたと思ったのに、思わぬ所でほぞを噛んだ。
…でも、まぁ京が安心したって言うんならそれでいいかと私も一緒になって小さく笑った。
そして、京がいただきますと手を合わせた後にリゾットを口に運ぶ。
「…嘘だろ、美味い」
「本当!?」
京に美味しいと言われて、嬉しくて思わず飛び上がりそうになった。
ただ、"嘘だろ"は余計だ。
「お前も食うか?」
そう言ってリゾットを一口分掬ったスプーンを京に差し出される。
(あ…)
「ん、食べないのか?」
「う、ううん、食べる」
そう言って京の右手で差し出されたスプーンにパクッと口をつけた。
その後京が再びリゾットをスプーンで掬い、今度は京が自分でそれを口にする。
それを見た時、体に微かな電流がピリッと走ったように心臓が跳ねた。