二度目の結婚は、溺愛から始まる
「写真とか、ないの?」
「実家に置きっぱなしにしていたから、処分されているかもな。研究用に撮った試合のビデオもあったんだが。さすがに、卒業アルバムくらいは取ってあると思う」
「アルバム! 見たい!」
部活をしている姿だけでなく、制服姿の蓮はどんな感じだったのか、気になる。
もっと幼い感じだったのか、それとも高校生にしては老けて見えたのか。
「アルバムなら、柾が同じものを持っているだろう? 見たことないのか?」
蓮と同級生だった兄は、当然同じ卒業アルバムを持っているが、どんなに頼んでも、一度も見せてくれたことがない。
「柾は、どんなに頼んでも、絶対に見せてくれなかったの! よほどの黒歴史が隠されているんじゃないかと思っていたんだけど……」
「黒歴史? そんなものはないだろ。あいつは、顔も体格も、あの頃からそんなに変わっていないぞ? でも、アルバムなんか見てどうするんだ? 何の役にも立たないだろう?」
「学生服姿とか、ロボットみたいな恰好をしている蓮を見てみたいの」
いまに至るまで、どんな風に蓮が成長してきたのか、興味があった。
わたしたちが出会ったとき、すでに蓮は社会人――大人で、大学時代のことは折に触れて話題に上がったものの、高校時代やそれよりもっと前、幼い頃の話はほとんど聞いたことがない。
蓮のご両親と会ったのも、結婚の挨拶をした一度きり。蓮の子ども時代の話を聞き出せるほど親しくなる前に、離婚してしまった。
「そうだな……椿のアルバムも見せてくれるなら、かまわないが?」
「へ?」
思いがけない交換条件に目を瞬く。
「俺だけ恥ずかしい思いをするのは、不公平だろう? 椿の初々しいセーラー服姿を見てみたい」
「そ、それはっ…………」
見られて困るようなものではないないけれど、高校時代のわたしはいまよりもっと色気がなかった。
お肌の張りや艶は、いまより格段にあるだろうけれど……セーラー服を着ていなければ「女の子」にはとても見えない。
蓮は、ためらうわたしを見下ろし、にやりと笑う。
「そうだな……。子どもの頃のアルバムまで見せてくれるなら、さっきの技のコツ……伝授してもいいぞ?」
「こ、子どもの頃って……?」
「赤ん坊の頃からの写真が見たいんだ」
「で、でも、それは……」