twilight sinfonia
瀬那はんー……と言って、沈む。


「……さっきのあんま好きじゃなかったから、瑠南がつけて」
「えぇ……歌詞は?」
「いつものとこ」


なんだかもう脱力系になってしまっている、何もする気ないタイムだ。


「バラードにしたいなって思ってたんだけどさ。
俺バラード苦手だったの忘れてた」
「あー、そのまま作っちゃったってこと?」
「そう」
「テンポ落とせばよかったのに」
「俺根本的にギター入れたバラード作ったことなかった」


瀬那は悪びれもなくそういうともう何も言わなくなった。
仕方なしに瀬那の担当の曲にちゃんと音を当てていく。


今回の曲は恋愛系。
普段から一緒にいる仲がいい。
だけど友達以上恋人未満。
いっつも部屋にやってきて、寝っぱなし。
寝顔ばっかり見てる日々に、手を出さない男はいないと。


……下心ありありの実話だな。
昔よくやられたな。
よく寝てたしね、私。瀬那の部屋で。


「バラード、ねぇ」
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