熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁修業いたします
「いただきます……!」
準備を終えた花は、満を持して活きあじフライに箸を伸ばした。
大きなアジフライは齧り付くのもいいが、まずは試しに箸で食べやすい大きさに切ってすり胡麻ソースをつけるのがいいだろう。
(わ……っ!)
箸を入れるとサク……ッという小気味の良い音が鳴り、ジュワッと油が染み出してくる。
揚げ立てホクホクのあじフライは小ぶりながら肉厚で、身の中は真っ白だった。
早速、自分で用意したすり胡麻入りソースにつけ、一口で頬張ってみる。
「ん、ん~~~っ、美味しい……っ!」
噛んだ瞬間、旨みがいっぱいに広がった。
前評判通りの活きあじフライは身がしっかりしているのにジューシーで、食べ応えも抜群だった。
粗めのパン粉がサクサクとした食感を生み出しているのも最高だ。
ホロホロと口の中で崩れる身は鯵の旨味をいつまでも口の中に残して、最後には胡麻の風味が鼻を抜けるという極上の一品だった。