悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 レオンティーナの中でそんな計算が働いたことをヴィルヘルムが知る由もない。

「それで、僕からも何かお礼がしたいと思うんだ。君の望みは?」
「そうですねぇ……なんでも、いいですか?」
「これ、レオンティーナ!」

 レオンティーナが何をねだるのか心配になったのだろう。
 今まで黙って、ヴィルヘルムとレオンティーナのやりとりを見ていた父が、脇からレオンティーナをとがめようとする。
 けれど、レオンティーナは父にはかまわずに続けた。

「皇宮の図書館に入館する許可をいただきたいです。お父様に許可を取ってくださるようお願いしたんですけど、手続きが進まないみたいで」

 皇宮の図書館は、皇族とそれに準ずる者、それから国から特別に認められた研究者しか入ることができない。
 三大大公家の娘であるレオンティーナは、皇族に準ずる者として、図書館に入る資格はあった。許可を皇帝に願い出てはいるが、手が回っていないようで、まだ入館許可は出ていない。
 父が権力を行使して命じれば叶うのだろうが、父はそこまで権力を行使するのは嫌だったようだ。

「図書館の入館許可……そんなものでいいのか?」
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