悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
「お母様も、お父様を待っています――さあ!」
「わ、わかった。行ってくるよ」

 父が、赤い花飾りのついた帽子を手に、母の方に行くのを見送り、レオンティーナはソニアの方を振り返った。

「私に似合う帽子を探すわ。ソニアはどんなのがいいと思う?」
「そ、そうですね……お嬢様の目の色は黒ですから……黒いリボンのついた帽子とか……?」
「あら、ずいぶん単純ね」

 単純、という言葉に、ソニアはしゅんとしてしまう。

「あら、単純だけどダメとは言ってないわ。黒いリボンのついた帽子も素敵かも。一緒に探しに行きましょうよ」
「はい、お嬢様!」

 自分の帽子を探しながら、レオンティーナは両親の方をちらちらと見やる。父が差し出した、赤い花飾りのついた帽子は、母には気に入らなかったようだ。
 首を横に振っており、父はレオンティーナがいる位置からもわかるほどにしゅんとしてしまっている。

「お父様ってば、ダメねぇ……」
「お嬢様、この帽子はどうでしょう?」

 父の様子にため息をつくのとタイミングを合わせるようにして、ソニアが黒いリボンがついた帽子を差し出す。
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