悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
(給料から買わせるより、我が家の厨房で焼かせた方がいいかもしれないわね)

 それを見ながら、レオンティーナはさらに考えていた。
 大公家の厨房にも、菓子職人がいる。皇宮の菓子職人と同程度の腕を持っているから、ソニアを感心させる菓子を焼いてくれることだろう。

(……そうね、それがいいわ)

 買いに行かせるより、家の使用人に焼かせた方が、ソニアには慈悲深い主だと思わせることができる。
 養護施設の子供達に恩を売っておくのも、将来のことを考えたらいい布石かもしれない。有能な人間がいたら、どんどん引き抜いていけばいいのだ。

(……ソニアのおかげで、いいことを思いついたわ)

 まずい茶に付き合わされるのは気が重いが、しばらくはソニアの修行だと思って我慢しよう。

「……お嬢様は、慈悲深いお方なのですね。ソニア、屋敷に戻ったら、お茶をいれる練習をしましょう。こんなものをお嬢様に飲ませるわけにはいかないわ」

 ソニアのいれたお茶を口に含んだ母の侍女が、しかめっ面になっている。それを見ながら、レオンティーナは、次にどんな手を打つべきか考えていた。
 

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