悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
「――本当に君は、熱心に調べものをしているんだな」
「家にはない本がありますからね。新しい知識が増えるのは楽しいですよ」

 実のところ、レオンティーナもすべて理解できているわけではないのだ。
 なにせ、前世で頭の中にあったのは、身を飾ることと浪費することだけだった。
 だが、それでも頭に残っている知識のかけらを組み合わせることによって、なんとか資料を読み解いているところだ。
 時間はかかるが、少しずつ謎が解けていくその過程が楽しい。前世とは違う人間になったのだと実感するのはこういう時だ。

「君は、本当に何を考えているのかわからないな」
「あら、そうですか?」

 ヴィルヘルムは、またもや重たい資料を抱えて書棚に戻してくれる。本当にできた少年である。
 ソニアは、あいかわらず絵本ばかり眺めているけれど、以前よりも落ち着いて座っていられる時間が長くなってきたし、皇宮の豪華で贅沢な雰囲気にも慣れてきたようだ。
 今もヴィルヘルムの姿を認めるなり丁寧に一礼し、足音を立てずに書棚に自分の読んでいた本を戻しに行く。

「侍女にまで、閲覧を許すとは思わなかった」
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