悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 ヴィルヘルムも母の柔らかな雰囲気をそのまま受け継いでいるし、顔立ちもそっくりだ。
 そしてルイーザは兄にも母に顔立ちは似ている。時々その顔に浮かぶ強情そうな表情は、他のふたりは見せないけれど。

「皇女殿下は、私よりもずっと学ばなければならないことが多いから、お忙しいと思います。私は、基礎的なことしか学んでませんから」

 一応、そう言ってルイーザにも気を使っておく。ルイーザはうんうんとうなずいた。

「そうなのよ。マナーの先生はうるさいし」

 ぱくりと大きな口を開けて、ルイーザはフィナンシェを一口で食べてしまった。かなり大きいのに、よくもまあ一口でおさまったものだ。

「マナーは大切だぞ」

 と、口を挟むヴィルヘルム。むっと膨れて、ルイーザは、今度はフロランタンを手に取った。それもまた大きな口を開けて、一口に飲み込んでしまう。

「今は、何を読んでいるのかしら」
「農作物についでです。蕎麦は北の方で採れますから、蕎麦粉のガレットは北の方がおいしいのではないかと先日もヴィルヘルム殿下とお話をしました」

< 151 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop