悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 魚ならどこに行くのがいいだろう、林檎が欲しいなら――と、ケルスティンとレオンティーナの間の会話も弾む。
 ケルスティンは果物ではオレンジが一番好きで、旬の時期には最高のオレンジが皇帝から届けられるらしい。
 思っていたよりも、気を張らずに過ごすことができた。レオンティーナが本で読んだあれこれを話すと、ケルスティンは楽しそうにそれに聞き入る。それは、ルイーザも同じだった。

(いえ、この人……人の警戒心を解くのが上手なんだわ)

 ケルスティンのまとう独特の雰囲気は、やはり人の心をほっとさせるようだ。レオンティーナはしみじみとそれを感じ取った。

(そうね、敵ではないもの)

 でも――と、レオンティーナは考える。ケルスティンの命は、今からさほど遠くない未来に奪われることになる。
 ケルスティンの前から立ち去った時には、彼女のために何ができるのだろうかと考えざるをえなかった。


* * *

 

 結局、ルイーザもレオンティーナのことが気に入ったようだった。
 というのも、その次に図書館を訪れた時、ヴィルヘルムに連れられてルイーザも姿を見せたのだ。
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