悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 誉めたのはレオンティーナではなく母の侍女なのに、嬉しそうにソニアは表情を崩した。

「タンブレア夫人はお元気ですか?」
「ううん。今日はお母様、具合が悪いの」

 とたん、ルイーザはしょんぼりとしてしまった。

(……もしかしたら)

 レオンティーナには思い当たる事情があった。前世で、ケルスティンは病死している。
 彼女が感染した病は、最初のうちは微熱を繰り返す。
 たいしたことはない、風邪ではないか、疲労がたまっているのではないか――と思っているうちに、今度は微熱が高熱となる。高熱と平熱を繰り返し、最終的には高熱で床につく時間が長くなって、そのうち死に至るという病だ。
 特効薬の開発に数年の時間を要したことから、多数の死者を出ることとなってしまった。
 ある研究者が、病の回復にはニナ草が効くと気づき、その栽培方法の確立にも成功した。そのため、その病は後にアルニム熱と呼ばれるようになる。

(でも、今はアルニム博士なんて誰も知らないでしょうしね)

 レオンティーナがアルニム博士の名を覚えていたのは、牢の中でソニアが話してくれたからだった。
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