悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 だが、ケルスティンの病がアルニム熱であるとは断言できない。ただの風邪であるという可能性も否定はできないのだ。

(でも……図書館で、調べておいた方がいいわね)

 図書館のハーブ辞典には、ニナ草についてもきっと掲載されている。
 もし、ケルスティンの症状が、アルニム熱の症状に変化した時にはヴィルヘルムに教えてあげよう。

(……私、ちょっと変だわ)

 以前なら、ヴィルヘルムにそんなことを教えてやろうとは思わなかったはずだ。だが、先日お茶に招待してくれたケルスティンには、レオンティーナも好感を覚えた。
 もし、彼女が命を長らえるとしたら、それはそれで、人生をやり直しているひとつの意味と言えるのではないだろうか。

 それに、皇帝の寵愛を受けるケルスティンの命を救ったならば、皇帝の覚えもめでたくなる。皇位への距離も近づくだろう。

「お元気になるように、家からお花を贈りますね」

 レオンティーナはそう言って、ヴィルヘルムとルイーザの前から立ち去ったのだった。
 

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