悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 前世でレオンティーナが処刑されるにいたったのは、皇妃という地位にあったからだ。だが、権力は持っておらず、大切なことは何一つ知らされないままだった。
 前世で処刑されるにいたったのは、レオンティーナ自身では何一つ決めることができなかったからだ。

(もし、もしも……よ)

 もし、レオンティーナが、自分の力というものを持っていたならば。皇妃ではなく、皇帝だったなら――。
 一度走り始めた空想は、とどまることを知らなかった。
 両親に、夫に、レオンティーナ以外の誰かにレオンティーナの人生を決めさせるのではなく、自らの意思で人生を決定できるのだとしたら。

(……そうよ、もし、私が皇帝になったとしたら)

 レオンティーナは想像する。
 もし、彼女が皇帝になったら。前世のような、愚かな浪費は繰り返さない。
 帝国最大の権力者となれば、嫁いだ相手に生死を振り回される必要もないではないか。自分の人生を、自分で握ることができる。

(そうよ、私ならできるかもしれない)

 レオンティーナならば、皇子達の誰よりも、そして皇女達の誰よりも上手に国を治めることができるはずだ。
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