悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
だって、前の生で得た知識があるのだから。
(私なら、誰よりも上手に国を治めることができる……!)
この国では、皇帝一族の他、三大大公家の人間にも皇位継承権がある。
今のところ、女性が皇帝となった例はないけれど、女大公の例は過去にあったから不可能ではないはずだ。
もしかしたら、もう一度レオンティーナ・バルダートとして生きることになったのは。
今度は、この国を滅ぼさないようにという神の意志なのかもしれない。
となれば、これからやることは決まっている。まずは、父のところに行かなくては。
レオンティーナの父、ギュンター・バルダートは、有力な貴族ではあるが家庭人としては失格だ。
前世では、母との不仲に耐え切れなくなったのか、愛人を作っていた。
そして、レオンティーナが十二歳の時、愛人との間に異母弟のハイラムをもうけている。
当時は、父が急に不潔に見えて、以前から少なかった会話が皆無となった。今はまだ愛人も作っていない――はずだ、たぶん。
「お父様、よろしいですか?」
父がこもっている書斎の扉をノックする。許可を得てから、中に入った。
(私なら、誰よりも上手に国を治めることができる……!)
この国では、皇帝一族の他、三大大公家の人間にも皇位継承権がある。
今のところ、女性が皇帝となった例はないけれど、女大公の例は過去にあったから不可能ではないはずだ。
もしかしたら、もう一度レオンティーナ・バルダートとして生きることになったのは。
今度は、この国を滅ぼさないようにという神の意志なのかもしれない。
となれば、これからやることは決まっている。まずは、父のところに行かなくては。
レオンティーナの父、ギュンター・バルダートは、有力な貴族ではあるが家庭人としては失格だ。
前世では、母との不仲に耐え切れなくなったのか、愛人を作っていた。
そして、レオンティーナが十二歳の時、愛人との間に異母弟のハイラムをもうけている。
当時は、父が急に不潔に見えて、以前から少なかった会話が皆無となった。今はまだ愛人も作っていない――はずだ、たぶん。
「お父様、よろしいですか?」
父がこもっている書斎の扉をノックする。許可を得てから、中に入った。