悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
父と母の関係は、思っていたより悪くなかったということなのだろうか。父は気弱な笑みを浮かべ、レオンティーナに手を差し伸べた。
「さて、君は何を話したいのかな。父上に教えてくれるかい?」
「そうですね――お父様、家庭教師の先生が欲しいです」
父は日頃、皇都ロアで生活し、レオンティーナは母と共に領地に残って暮らしていた。
一応、家庭教師の先生はつけてもらっているのだが、講義の内容は一般的な貴族令嬢の身に着けるべきものにとどまっていた。
これだけでは、足りない。皇帝の座を目指すには、もっと先を学ぶ必要がある。
「家庭教師は、つけているだろうに。何か、他に知りたいことがあるとでも?」
「……お父様」
レオンティーナは、父の側に歩み寄り、手を取った。両手で父の手をぎゅっと握りしめる。
精一杯瞳をうるうるさせて父を見つめた。
「お父様の、お話していることが知りたいんです。歴史の先生も、農業の先生も必要です。今の先生は、数学さえも教えてくれないんです!」
この国では、女性は数学にはかかわらないものとされていた。家計を切り盛りするのも、男性の仕事とされている。
「さて、君は何を話したいのかな。父上に教えてくれるかい?」
「そうですね――お父様、家庭教師の先生が欲しいです」
父は日頃、皇都ロアで生活し、レオンティーナは母と共に領地に残って暮らしていた。
一応、家庭教師の先生はつけてもらっているのだが、講義の内容は一般的な貴族令嬢の身に着けるべきものにとどまっていた。
これだけでは、足りない。皇帝の座を目指すには、もっと先を学ぶ必要がある。
「家庭教師は、つけているだろうに。何か、他に知りたいことがあるとでも?」
「……お父様」
レオンティーナは、父の側に歩み寄り、手を取った。両手で父の手をぎゅっと握りしめる。
精一杯瞳をうるうるさせて父を見つめた。
「お父様の、お話していることが知りたいんです。歴史の先生も、農業の先生も必要です。今の先生は、数学さえも教えてくれないんです!」
この国では、女性は数学にはかかわらないものとされていた。家計を切り盛りするのも、男性の仕事とされている。