悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
女性は男性から与えられた金額でやりくりしてこそ褒め称えられるものであって、前世のレオンティーナはそんな事情から、自分の国が傾いているのに気づけなかった。
「歴史に、数学……」
「ティーナ、一生懸命考えたのです。この家には、私しか子供がいないから。だから、お婿さんをもらわないといけないでしょう?」
今度は首をかしげて、父を見上げる。父は目をゆっくりと瞬かせた。レオンティーナの言葉が、信じられないとでも言うかのように。
「だがね、ティーナ。君は皇帝一族に嫁ぐのかもしれないのだよ? その話は、前からしていたと思うのだがね」
「それはそうですけれども!」
レオンティーナは父の手を強く握りしめた。
そんなことくらいわかっている。
実際父は、アンドレアスとの縁談を取りまとめてきた。レオンティーナが、どんな扱いを受けるのか考えもせずに。
「皇帝一族に嫁ぐのならばなおさらですわ! 皇帝一族を支えるのは家臣の務めですもの!」
「ティーナ」
レオンティーナを愛称で呼んだきり、父は黙り込んでしまった。
(ひょっとして、私……やり過ぎた……?)
「歴史に、数学……」
「ティーナ、一生懸命考えたのです。この家には、私しか子供がいないから。だから、お婿さんをもらわないといけないでしょう?」
今度は首をかしげて、父を見上げる。父は目をゆっくりと瞬かせた。レオンティーナの言葉が、信じられないとでも言うかのように。
「だがね、ティーナ。君は皇帝一族に嫁ぐのかもしれないのだよ? その話は、前からしていたと思うのだがね」
「それはそうですけれども!」
レオンティーナは父の手を強く握りしめた。
そんなことくらいわかっている。
実際父は、アンドレアスとの縁談を取りまとめてきた。レオンティーナが、どんな扱いを受けるのか考えもせずに。
「皇帝一族に嫁ぐのならばなおさらですわ! 皇帝一族を支えるのは家臣の務めですもの!」
「ティーナ」
レオンティーナを愛称で呼んだきり、父は黙り込んでしまった。
(ひょっとして、私……やり過ぎた……?)