悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 けれど、国から渡される金銭の他に、こうやってヴィルヘルムが援助しているのならば――。

(そのあたりのことはよくわからないけれど、こういった施設で働いたら、普通に働くよりお金をもうけることができるのかも……)

 ヴィルヘルムは、施設長が身に着けているのは高価な品であることに気づいていないようだ。そのあたり、いくぶん甘いなとレオンティーナは思う。
 いや、甘いからこそ、皇妃を敵に回し、暗殺されるという未来を招いたのだろう。

(――もう少し、鋭かったら生き残ることもできたかもしれないのにね)

 ヴィルヘルムの聡さは、時に違う方に向いているのかもしれなかった。

「……施設長。本当にそのお金は、子供達に回るのかしら?」

 そう口を開いたのは、施設長の態度が気に入らなかったから。大人になり、社交界に集う人々の間を泳ぎ回っていた時、施設長と似たような人種は何人も見かけた。
 こちらを利用するだけ利用し、利用価値がなくなったらさっさと離れていく人種だ。

「どういうことでしょう、お嬢様?」

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