悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
「無理じゃない。やって。私にできるのだから、あなたにできないはずがないでしょ。私よりお姉さんなんだから」

 前世では年齢差なんて気にしていなかったけれど、ソニアは今八歳のレオンティーナの三歳上。十一歳だそうだ。
 年齢の割にいくぶん小柄なのは、やっぱりいいものを食べさせてもらえなかったからなのだろう。

「――そろそろ昼食の時間ね」

 レオンティーナが手を止めたのは、作業を始めてから数時間が過ぎた頃だった。
 ドレスをかけているハンガーに、レオンティーナの書いたメモがぺたぺたと貼り付けられている。

「当面、これを読めるようにするのが目標ね」

 こうして、書いたものを置いておけば、文字を読む練習にもなるはずだ。
 語彙は非常に限られてしまうけれど、レオンティーナの生活にかかわらない部分についてはおいおい覚えていけばいい。

「――かしこまりました!」

 返事だけはいいのだ。返事だけは。
 けれど、ソニアのやる気をそぐつもりはない。

「あなたなら、できるわよ」

 レオンティーナは、そう言うだけにしておいた。きっと、ソニアならやってくれるだろうと思ったので。
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