悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~

「ああ。何か聞きたいことがあるらしい」
「……そうですか」

 聞きたいことと言われても心当たりなんてない。
 今回の生でもヴィルヘルムと顔を合わせたのは一回だけだし、前世のヴィルヘルムとの親交も、さほど深いものではなかった。
 彼にはシャンテール大公の娘という婚約者がいたし、十七歳の頃、皇妃の送った暗殺者によって暗殺されている。

(……優しいだけで、皇帝には不向きな人間だものねぇ……)

 彼がアーシア王国の人間と親しくしていたことが、この国を崩壊に導くきっかけの一つであった。だが、その裏には、衰退しつつあるこの国をどうにかしたいという想いがあったのだから、一概に彼だけを責めるわけにはいかない。
 人柄だけでは、これからの難局を乗り切ることはできないだろうから、レオンティーナが皇帝の座を目指すと決めたわけではあるけれど。

「わかりました。きちんとご挨拶はしておきます」

 皇宮において、愛妾の息子であるヴィルヘルムはさほど強い立場にはないが、皇帝は、息子達の中で彼を一番かわいがっているそうだ。
< 96 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop