悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 愛妾の息子が皇太子になったという例はほとんどなかったから、ヴィルヘルムが皇太子となった時には皆が驚いたものだ。

「ソニア、支度をして。外出用の――そうね、青いドレスがいいわ。裾にレースがあしらわれているミラン・リールデザインのものを」
「かしこまりました!」

 すぐに皇宮に向かうことになり、慌てて支度を調える。ヴィルヘルムの要請により、なぜかソニアを同行させることとなった。
 レオンティーナが身に着けたのは、今、都で暮らす女性の間で一番人気と言われるミラン・リールがデザインしたものだ。
 青いドレスの裾にあしらわれたレース飾りは、雪の結晶をかたどっている。繊細なレースを幾重にも重ねたことで、雪そのものがスカートにあしらわれているようにも見えた。
 首にはレースに合わせた真珠のチョーカー。イヤリングも揃いのもの。髪には青いリボンを飾る。まだ、ソニアは上手に髪を結うことができないので、髪を結うのは母の侍女に手伝ってもらった。
 レオンティーナと同じように、ミラン・リールがデザインしたドレスを身に着けた母が、馬車のところで待っている。
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