悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
洗って綺麗にアイロンをかけたばかりの制服に着替えたソニアは慌てた様子で両親の側に控えていた。その他に母の侍女だの父の側仕えの使用人だのがいて、皇宮に赴くのには、けっこうな人数が必要だった。

「――ソニアは、もうドレスを覚えたのね。偉いわ」

 母は、きちんと身支度を終えたレオンティーナを見て目を細めた。

「いいえ、奥様! お嬢様が、ドレスのハンガーにメモを貼ってくださったんです」
「ソニア! 今はそういうことは言わなくてもいいの!」
「――どういうこと?」
「お手持ちのドレスを全部説明してくださったんですよ! 忘れると困るからってメモもくださいました。だから、間違えないですみます」
「一度で覚えたじゃないの……お母様、勘違いしないで。命じたのと違うドレスを持ってこられたら二度手間だから、一度教えただけよ」

 あらあら……と、母が微笑まし気な表情をしているのはなぜだろう。なんだか落ち着かない気分になって、視線を逸らす。
 父と母、それにレオンティーナとソニアがひとつの馬車に乗る。母の侍女と父の側仕えは、もう一台の馬車に乗った。
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