さよならが言えなくなるその前に
何もする気にならなくて。
泣き疲れて
ソファにもたれて
お酒をテーブルに置いた優香の耳に
サアー。
空気を濡らす音が聞こえる。
雨?
カーテンを開ける。
いつの間にか、闇夜に雨。
暗い夜に、雨が窓を叩きつける。
優香の頬には、まだやまない涙。
わからなくなってくる。
こんなばかみたいに、泣いて。
むなしくて、悲しくて、
なんか
私なんて
世界中の誰にも愛されていない。
いらない
みたいな気がして。
みじめな気分がたまらなくて。
ひとりぼっちで、
寂しくて
寂しくて
…
嫌になるよー。
もういいや。
今日は飲んで飲んで
泣き暮れてやるー。
プシュッ。
優香は新しいお酒を開ける。