となりの一条三兄弟!
目立つ身なりをしてる晶くんがいるだけで背景にお花が舞ってるように見えるというか……とにかくキラキラと眩しい。
「晶くん、どうしたの?」
ここは2年の階なのに。
「まりりんに会いたくて来ちゃった」
「ええ?わ、私に?」
こんな会話をしてるだけで各教室から晶くんのことを見てる女子の視線が痛い。
「あは、半分嘘。本当は2年の先輩に呼ばれたから来ただけだよ」
そして距離の詰め方も上手だからすでに校内には私より沢山の知り合いがいる。まあ、全員女子なのは言うまでもないけど。
「あ、そうだ。まりりん今日の夕方空いてる?」
晶くんが思い出したように言う。
「夕方……?」
とくに予定はないし、今日はまっすぐに家に帰るつもりだ。
「昴兄さんが引っ越し祝いでご馳走を作るらしいよ。どうせ男3人で食べることになるんだし、まりりんが遊びに来てくれないかなって……」
その表情は少し寂しそうだった。
まだご近所付き合いはないけど、挨拶しに来てくれた時に昴さんが一条家についてちょっとだけ話してくれた。