となりの一条三兄弟!
そしてあっという間に学校が終わった。
クラスメイトたちは一日中、動物小屋の件であれこれと噂していた。
私も一応、昼休みに景ちゃんと学校の敷地内を探してみたけど、ウサ子とウサ吉は行方不明のまま。
噂は人づてに拡大して、「最近、変質者の目撃情報がある」とか「動物を切りつけたりしてる人を公園で見かけた」とか、どれも物騒なものばかりだ。
それが真実かどうかは分からないけど、私の身にも奇妙なことが起きてるから他人事じゃない。
なんとなく帰り道も無意味に後ろを振り返ってしまったし、なにか悪い者に取り憑かれていたらどうしよう……。
そんなことを考えながら家に着いて、自分の部屋がある2階に上がった。
ポケットからスマホを出すとお母さんからのメールが届いていた。
【今日はお母さんもお父さんも仕事で帰りが遅くなるから晩ごはんは適当に済ませてね】
遅くなるなら丁度いい。晶くんに招待されてるし、きっと私がお邪魔することは昴さんたちにも伝えてくれているはずだ。
私はお母さんに心配かけないように、一条家で引っ越し祝いをする旨をメールで教えた。