となりの一条三兄弟!


……洋服、なに着ていこうかな。

ハンガーラックにかかっている私服を見ながら、制服のボタンを外す。

さすがに部屋着じゃ行けないし、オシャレして行くのも気合いが入ってる感じがして恥ずかしい。

そういえばお祝いだから、手ぶらじゃマズいよね?

おばあちゃんが送ってきてくれたリンゴでも持っていこうかな。リンゴが苦手ってことは……ないはず。

ブツブツと独り言をぼやきつつ、次にスカートのファスナーを下げた。


――と、その時。

カンッ!と窓ガラスになにかが当たった。


条件反射でビクッとなって、おそるおそる窓際のほうへと近づく。

とくに異常はない。というか……昨日からなんなの、もう……。

ひとりで泣きそうになりながら、ふっと前を見ると隣の家の白いカーテンが見えた。


今まで誰も住んでなかったから気にならなかったけど、隣の家とうちの距離はものすごく近い。

建て売り物件で住宅地だから仕方ないけど、それでもベランダを挟んですぐ向こうが一条三兄弟の家。

頑張らなくても乗り越えられそうだし、そもそもカーテンが取り付けられてるってことは部屋として誰かが使ってるってことだよね?

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